人間失格

今までの人生で私はずっと、自分は社会に迷惑を掛けることしかできない人間なのだと思って生きてきた。
社会に迷惑しか掛けられないから、責任という責任から逃げ回ってきた。
いつも私は間違える。だから、これ以上迷惑を掛けたくない。
だけど、「お前は間違っていると認めない」とよく言われる。
私は自分のことがわからなかった。私は、どういう人間なのだろう?
漠然と、私は悪い人間なのだと思い、罪悪感と共に生きてきた。
ほんの一歩足を踏み外しただけで、犯罪者になるような人間なのだと。
全ての罪を償うまで、幸せになる資格はない。
社会にとっては死刑にでもしたほうがましな人間。
いつも死の影におびえていた。まともに生きていないまま死んでないだけで、何も残せず終わってしまうのは嫌だ。
そんな私に親身になってくれる人がいたことに、私はとても感謝している。
だけど、同時に、今までのように迷惑を掛けてしまうことに恐怖した。
そして、その通りの結果になった。
私はやっぱりまともな人間じゃない。
それは確信ではなかった。努力が足りないのを、自分がおかしいと言い訳しているのかもしれない。そう思っていた。
だけど、どうやら私は人間ですらなかったらしい。
今までの人生について、いろいろ納得した。
必死に人間のふりをして嘘つきと言われてきたけれど、もう、人間のふりは止めることにした。
普通の人間らしい幸せは諦める。
そんなものは手に入らない。
この社会は普通の人間が快適に生きるためにできている。
ならば、普通じゃない人間が溶け込もうとしても迷惑なだけだ。
いっそ開き直って自分の欲のためだけに生きられれば楽だったのだけど、そんなのは今まで迷惑を掛けてきた人たちが許さないだろう。
だから、今まで築いてきた人間関係を断ち切ることにした。
最近、親とも縁を切った。
きっと普通の人なら、私を酷い人間だと思うだろう。
それでも私は親だと思ってないし、まともに育てられたとも思ってない。
生んでくれた親への感謝と言われても、感謝できるほど自分が生きる価値のある人間だとも思っていない。
私は一人になりたい。
一人なら、誰も傷つけないで生きていける。
そんなことを考えていたら……尊敬する人が私と同じ生き物だということに、気がついた。
彼の代表作の数々は、きっと作者自身の生き様なのだと思う。
もっと雲の上の人物だと思っていたけれど、意外とかなり共通性が多いことにも気がついた。
同じような境遇で、自分が生きる証を立てている人がいる。
それを知ったから、たとえ身近な味方が一人もいなくても、絶望の中を生きていける。
私はもう、大丈夫。
たぶん、これが月村透としての最後の書き込みになると思う。
こんな私にいろいろ教えてくれた方々へ。どうもありがとうございました。
そして、さようなら。